理系の就職事情を解説! 早めの準備が就活成功の鍵を握る

伊藤うみ
高橋さん! 以前、就活は早めの準備が大切と教わったので、さっそく就活の準備を始められたらと考えていたのですが、何から始めて良いかわからなくて……。

高橋キャリアアドバイザー
伊藤さん、しっかりと先を見すえて動けていて素晴らしいですね。就活の第一歩は実は情報収集です。しっかりと情報を収集することで、自分のやるべきことが見えてきますよ。

伊藤うみ
そうなのですね! 私は理系なのですが、理系学生の就活事情について今日は教えていただけませんか……?

高橋キャリアアドバイザー
もちろんです! では理系学生の就活の全貌について私から解説します。ぜひ効率的に就活を進めてみてくださいね。

伊藤うみ
はい! ありがとうございます!
学業との両立が大変だと言われている理系学生の就活。その忙しさから、なかなか就活の情報を収集できないと悩んでいる学生は多いのではないでしょうか。
今回は、理系学生の就活事情についてデータを用いて解説していきます。理系学生の文系就職に関する情報や理系学生の持つ強み、就活に役立つ資格など幅広く解説していくので、これから就活の準備をしたい方や理系の就活事情についてもっと深く知りたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
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理系学生の内定率と就職率


高橋キャリアアドバイザー
まずは理系学生の内定率や就職率について見てみましょう。

伊藤うみ
実際、どれくらいの人が内定をもらっていて、就職をしているのか気になっていました。 ぜひ教えてください!

高橋キャリアアドバイザー
では、詳しく解説していきます。内定率や就職率から理系学生の傾向をつかみましょう。
理系学生は大学院に進学する人もいるため、就職をすべきか迷う学生の声も聞かれます。まずは一般的な理系学生の傾向をつかむことから始めましょう。
文部科学省の令和4年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査によると、 理系の就職内定率(就職希望者うち内定をもらった人の割合)は86.7%となっています。文系の就職内定率は83.9%のため、文系よりも内定率は高いことがわかります。
就職率も確認してみましょう。文部科学省の令和3年度大学等卒業者の就職状況調査では、理系の就職率(就職希望者のうち就職した人の割合)は97.4%、文系の就職率は95.4%となっており、就職率に関してもわずかに理系の方が高いことが読み取れます。
理系が就職に有利と言われる理由は「専門性の高さ」

伊藤うみ
内定率も就職率も理系の方が高いのですね! 理系の方が就職に有利と耳にすることがありますが、やはり本当なのでしょうか……?

高橋キャリアアドバイザー
データを見るとわずかな差なので、一概には言えませんが、理系はその専門性の高さからその分野に特化した企業への就職に有利と言われています。
一般的に理系は就職に有利と言われています。その理由は、専攻している分野が仕事に直結することもあるため、自分に合った企業が選びやすいからです。
たとえば、理学部であれば化学メーカー、農学部であれば食品関係の企業など、専門的な知識がそのまま企業での仕事に結び付きやすいのです。
新卒採用はポテンシャル採用と言われ、さまざまな業界にチャレンジできるという魅力がありますが、理系学生は専攻している分野の知識を仕事で活かせることがわかっている分、即戦力としても期待されている面があります。
以上のような理由から理系学生は文系学生と比べて就職に有利と言われています。
次の記事では、農学部での学びを活かせる仕事についてより詳しく解説しています。気になる人はぜひ読んでみてくださいね。
農学部の学びが活きる就職先13選|進路の選び方3パターンも紹介
進学と就職どちらを選んでいる? 理系学生の進路について解説!


伊藤うみ
理系学生はその専門性の高さから就職に有利ということはわかったのですが、そもそも理系学生は進路として、就職と進学どちらを選択しているのでしょうか?

高橋キャリアアドバイザー
とても良い質問ですね。では、理系学生のうち何割が就職をしていて、何割が進学を選択しているのか、こちらも過去のデータを見ることで傾向をつかみましょう!

伊藤うみ
高橋さん、ありがとうございます!
理系学生の約6割:就職をする
文部科学省の令和4年度学校基本調査によると理系学生(理学・農学・工学系)のうち、約6割が就職を選択しています。
就職をしている学生は専門分野に就職している人と専門外の分野に就職している人にわかれます。専門分野に就職している人は、学生時代に得た専門的な知識を活かした仕事を選び、就職後も環境は違うものの、今までの研究の延長に自分の仕事があると言えます。
一方、専門外の分野に就職する人もいます。そのような人は、専門分野のスキルを必要としない企業や、文系理系問わずに募集している企業などに就職しています。専門的な知識がなくても、理系学生の分析力や論理的思考力を評価し、採用するケースは多くあります。

伊藤うみ
約6割の理系学生が就職を選んでいるのですね!

高橋キャリアアドバイザー
ただ、大学や学部によって就職を選択する割合は変わってきます。先輩や大学のキャリアセンターなどに相談し、情報を収集することもおすすめです!
理系学生の約4割:進学する
次に進学率を見てみましょう。文部科学省の令和4年度学校基本調査によると理系学生(理学・農学・工学系)のうち、約4割が就職を選択しています。
理系学生は大学院に進学することで、より専門性を高めることができます。大学院は2年間で修士、3〜4年間で博士という学位を取得することができます。
大学院に進学することで学費がかかるというデメリットもありますが、さらに専門性を高められることから就職先の選択肢や広がり、新卒よりも初任給が高くなったりといったメリットもあります。

伊藤うみ
4割が進学! 思っていたよりも高い数値でした!

高橋キャリアアドバイザー
大学の研究をそのまま大学院でも続けることで、さらに知識を磨く学生が多いです。大学院卒業後には企業の研究職はもちろん、大学でそのまま研究者となる人や公的機関で働く人もいます。
あなたが受けないほうがいい職業を確認してください
就活では、自分が適性のある職業を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます。
そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。
適職診断で強み・弱みを理解し、自分がどんな職業に適性があるのか知りましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
理系の就職活動における2つの応募方法


高橋キャリアアドバイザー
ところで伊藤さん、志望企業に応募する時に理系学生ならではの応募方法があるのは知っていましたか?

伊藤うみ
えっ、応募方法は文系も理系も一緒かと思っていました……。

高橋キャリアアドバイザー
実は少しだけ違うのです! 理系学生の志望企業への応募方法は2種類あるので解説していきますね。

伊藤うみ
2種類あるのですね! どちらの応募方法も活用できたら良いなぁ。
①自由応募
まず一般的な応募方法である「自由応募」について解説します。この応募方法は文系・理系共通の応募方法になります。
自由応募とは、志望する企業に自ら応募する方法で、応募後はエントリーシート(ES)を提出し、通過すると面接などの選考に進みます。
自分が応募条件に当てはまるのであれば、どの企業にも応募することが可能です。

高橋キャリアアドバイザー
倍率はさまざまですが、応募条件に当てはまっていれば誰でも応募することができます。人気の企業だからと諦めず、チャンスがあるのなら、ぜひ飛び込んでみましょう!
②学校推薦
次に紹介するのは理系学生ならではの応募方法である「学校推薦」です。学校推薦とは大学や教授から企業に推薦してもらう方法のことを指します。
しかし、この応募方法は誰でも利用できるわけではありません。学校推薦の枠は限られています。そのため数少ない推薦枠をかけて、学内や研究室内で選考がおこなわれる可能性があります。
学校推薦のメリット
- 自由応募に比べて合格率が上がる
- 一般選考の一部が免除されるケースがある
学校推薦のデメリット
- 基本的には内定を辞退することができない
- すべての求人に応募できるわけではなく大学に寄せられた求人にのみ適用される
- 学校推薦であっても不合格となるケースもある

高橋キャリアアドバイザー
内定率が高いというメリットもありますが、辞退が難しいというデメリットもあるため、自分の志望業界や就活状況をしっかりと考えたうえで活用してみてくださいね! 早い段階からしっかりと情報収集をおこないましょう。
就活は、適職診断からはじめてください
就活では、自分が適性のある職業を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます。
そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。
適職診断で強み・弱みを理解し、自分がどんな職業に適性があるのか知りましょう。
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理系学生必見! 企業がもとめる理系学生の強みを紹介


伊藤うみ
理系学生の就職事情から応募方法までを理解することができました! ただ、理解すればするほど、自分が就活を上手く進められるのか不安になってきました……。

高橋キャリアアドバイザー
本格的に就活が始まっていない伊藤さんからすれば、就活は未知のもので不安になるのも当然です。では、自信をつけてもらうために伊藤さんのような理系学生が持つ強みや魅力について解説していきましょう。

伊藤うみ
私の強み……。正直、今は何も思いつかないです。

高橋キャリアアドバイザー
自分にどのような強みがあるのかわからないと悩む学生は少なくないので、過度に不安になる必要はありません。また、理系学生が普段当たり前におこなっているようなことが、実は企業からもとめられている可能性もあるのですよ。

伊藤うみ
そうなのですか!?

高橋キャリアアドバイザー
はい! ここからは、理系学生ならではの強みや魅力について解説していきます。どの強みも企業がもとめているものなので、どれが自分に当てはまるのかを考えながらチェックしてみてくださいね。
①業務に直結! 専門的な知識やスキル

高橋キャリアアドバイザー
理系学生が最もアピールできる強みがあるのですが、何だかわかりますか?

伊藤うみ
うーん。なんだろう……。でも、高橋さんの説明の中でたびたび「専門性の高さ」という言葉を聞くので、やはり理系学生は専門的な知識やスキルを持っていることが強みなのではないでしょうか。

高橋キャリアアドバイザー
伊藤さん、まさにその通りです! 理系学生の大きな強みは専門的な知識やスキルを持っていることといえます。
学部や専攻にもよりますが、理系学生が日々研究していることは、就職後にも活かすことができます。なぜなら、理系学生が研究している内容の延長線上に、企業が開発する商品やサービスがあるからです。
たとえば、大学で遺伝子に関する研究をしている場合、その研究を進めることは特定の病気の解明や薬の効果・副作用の予測に役立つかもしれません。これらは医薬品を扱う企業で活かすことができるでしょう。
このように、理系学生がおこなっている日々の研究は仕事に直結することがあります。自分が学んできたことを強みとして、企業に積極的にアピールしましょう。
キャリアアドバイザーコメント
テッ ター スェ
プロフィールを見る諦めないで! 準備をしっかりおこなえば専門外の分野も内定は十分可能
自分の専門外の分野に応募することに躊躇したり、不安に思うことがあるとしたら、そのように思う必要はまったくありません。
なぜかというと、そもそも新卒採用する学生に対して、専門分野に関して一定の知識があればもちろん良いですが、専門性は仕事をしながら身に付けていけばいいと考えているからです。
むしろ仕事で携わる専門分野にどれくらい興味や熱量があるのか、そこで成果を出せる能力があるのか、またその職場になじめる人間性かといったところが非常に大事になってきます。
それは文系も理系も関係ありません。自己分析や企業研究をしっかりおこなえば、専門外の分野だとしても内定を獲得することは十分可能です。自信を持って「ここで働きたい」と感じたところに応募してほしいと思います。
②課題解決に必要! 論理的な思考

高橋キャリアアドバイザー
理系学生の強みはまだまだあります! それは論理的な思考ができるという点です。

伊藤うみ
私に論理的思考力は、はたしてあるのでしょうか……。

高橋キャリアアドバイザー
伊藤さんは研究をおこなうとき、仮説を立てたりしませんか? 仮説を立て、検証や実験を繰り返すことで研究を進めているかと思います。当たり前にやっていることかもしれませんが、この過程の中で確実に論理的な思考は養われているのですよ!

伊藤うみ
研究は理系学生なら日々当たり前におこなっていることなので、論理的な思考が養われているとは、自分では気付きませんでした!
理系学生は研究をおこなう際、仮説を立て、検証や実験を繰り返しおこなっています。また、その過程で「どうしてそのような結果になったのか」「どこを改善すればより良い結果が得られるか」など、論理的に物事を捉えています。
習慣化されていると気付きづらいかもしれませんが、論理的に物事を考えられる力は確実に企業へのアピールになるでしょう。
③物事をやり遂げる力! 継続力や忍耐力

高橋キャリアアドバイザー
理系学生のみなさんは「継続力」や「忍耐力」といった強みも持ち合わせています。

伊藤うみ
確かに研究室に配属されてから、当たり前のように実験を長時間しながら、実習の授業の内容をまとめたりと忙しい日々を送ってきたので、忍耐力はついたかもしれません。

高橋キャリアアドバイザー
素晴らしいですね! 伊藤さんの強みも見えてきました。理系学生は研究をやり遂げる継続力や、忙しさを耐え抜く忍耐力を学生時代に培っている傾向があるので、ぜひ過去の自分を振り返ることで強みを見つけてみてくださいね。
理系学生が日々向き合っている研究は、継続力が大切になります。研究は、繰り返し実験をおこなうことで、最初に立てた仮説を立証していきます。しかし、必ずしも成果が出るとは限りません。
そのような状況の中で、試行錯誤し研究を続ける理系学生には、物事を最後までやり抜く継続力や忍耐力が備わっています。
キャリアアドバイザーコメント
神谷 政利
プロフィールを見る自分の強みを見つけるとともに弱みについても考えよう!
理系学生の強みとして論理的思考や分析力が挙げられますが、逆にそれが弱みになることもあります。
たとえば、物事を論理的に考えられる反面、理論から外れたイレギュラーなことや、理屈で片付けられないことに対して対応できないなど、柔軟性に欠けてしまうことがあります。
まずは自分自身を分析して、自分にどのような傾向や課題があるのかを把握することが重要です。その際のおすすめの方法は、第三者からの意見を取り入れることです。第三者の視点を持ち込むことでより客観的に自分のことを分析できます。
キャリアセンターの人、転職エージェントの人と対話することもおすすめです。自分の弱みがわかるとともに、それをカバーする方法についてもアドバイスをもらえるかもしれません。
理系学生が就職する主な職種

伊藤うみ
理系学生ならではの強みがわかって、なんだか自信がついてきました!

高橋キャリアアドバイザー
それは良かったです!

伊藤うみ
高橋さん、自分の可能性をもっと広げるために、理系学生の強みが活かせる職種についても詳しく知りたいのですが、解説していただけませんか?

高橋キャリアアドバイザー
もちろんです。職種について幅広く理解することは就活においてとても重要です。就職先とのミスマッチを防ぐためにも、理系学生が目指しているさまざまな職種について一緒に理解を深めていきましょう!

伊藤うみ
よろしくお願いします!
①研究・開発職
研究職や開発職は、新しい商品やサービスを生み出す仕事です。食品や化粧品、衣料品などさまざまな商品を生み出すために、日々研究を続けています。
研究職や開発職を目指す理系学生も多く、大学での研究を就職してからも続けたい人、自分の研究の成果が商品として目に見える形になり、誰かの生活を豊かにしているとを実感したい人におすすめの職種といえるでしょう。
研究職や開発職に向いている人
- 根気強く研究を続けられる人
- 目に見える形で社会に貢献したい人
- 勉強することが苦にならない人
- 柔軟な発想力がある人

高橋キャリアアドバイザー
研究職や開発職は理系学生の中でも特に人気の高い職種です。自分の研究の成果を商品やサービスといった形で世の中に提供されることは大きなやりがいにつながるでしょう。
理系学生に人気の高い研究職については、こちらの記事で詳しく解説しています。仕事内容から適性まで幅広く紹介しているので、興味のある方はぜひ併せてチェックしてみてくださいね。
研究職の全貌がわかる! 知っておきたい仕事内容や適性をズバリ解説 | アクセス就活PLUS|就活ノウハウをイラストで紹介する情報サイト
②技術職
製品の設計に携わったり、メンテナンスを担当する技術職は、その製品の安全性を保証するうえで重要な仕事です。
製品の設計は企画、立案、設計、試作、テストという工程でおこなわれます。テストを繰り返しながら、合格水準に達するものを作る技術職は忍耐強さがもとめられます。
技術職は、ものづくりにかかわる理系の仕事の総称として呼ばれることもあります。技術職をより細かく分類すると、開発設計職や設備保全職などさまざまな職種が含まれているため、自分がどのような仕事をしたいのか、事前に幅広く調べておくことをおすすめします。
技術職に向いている人
- 仕組みを理解するのが好きな人
- 細かい作業が好きな人
- コツコツと真面目に取り組める人
- 製品を使う人の立場になって考えられる人

伊藤うみ
自分が携わった仕事が製品として店頭に並べば、とてもうれしいですよね! 業界や企業についてのより深い理解も必要になる仕事ですね!
③生産技術職
生産技術職とは、開発した製品や部品を量産するための生産体制にかかわる仕事のことを指します。たとえば、今まで手作業でやっていた工程をロボットを導入することで生産効率を上げるなどの仕事です。
量産化するために生産設備を整えたり、より品質を高めるために生産ラインの改善点を洗い出すこともあります。
生産技術職は新しい製品や技術を世の中に送り出すために必要不可欠な職種といえます。
生産技術職に向いている人
- 良いと思うものを多くの人に伝えることに喜びを感じる人
- 今までのやり方にとらわれず、柔軟な発想ができる人
- ものづくりに直接かかわりたい人

高橋キャリアアドバイザー
生産ラインとは、製品を作り出すための一連の流れを指し、それは工場などでおこなわれています。自社製品を1人でも多くの人に届けるための仕事であり、それは企業の中でとても大きな役割を担っているといえるでしょう。
④品質管理職
製品の品質を守るのが品質管理の仕事です。不良品が発生する原因を模索したり、品質を維持するための方法を考えるなど、日々あらゆる課題に向き合うことがもとめられます。
品質の維持や管理は、消費者からの信頼を獲得するうえで非常に重要な仕事といえるでしょう。
品質管理職に向いている人
- 常にあらゆる事態を想定して考えられる人
- 問題が発生しても冷静に対応できる人
- 観察力のある人

伊藤うみ
企業にとって信頼を得ることはとても重要なので、責任のある大切な仕事ということがわかりました!
⑤システムエンジニア
システムエンジニアの仕事はソフトウェアの設計をおこなう仕事です。具体的には、企業や顧客の解決したい悩みをヒアリングし、それを解決できるシステムを構築する仕事を指します。
たとえば、業務の工程管理や人事管理に使用するシステムなどを開発しています。企業が抱える悩みをヒアリングしたり、システムについて説明することもあり、技術だけではなくコミュニケーション能力も必要となる仕事です。
システムエンジニアに向いている人
- ITに興味関心がある人
- 要求や意見を即座に読み取ることができる人
- 交渉や提案をする能力がある人

高橋キャリアアドバイザー
システムエンジニアの仕事は、専門的な知識やスキルも必要ですが、相手の要望が汲み取れなければ、その知識を活かすことはできません。そのため、コミュニケーション能力が重要になるのです。
⑥技術営業職
技術営業職とは、電子機器や化学・医療にかかわるような専門性の高い製品を、顧客に売る仕事です。セールスエンジニアとも呼ばれています。
技術職として製品についての知識を深め、その良さや魅力を伝える重要な仕事です。また、製品を紹介する相手は、専門的な知識があるとは限らないため、相手の立場を理解しながら、わかりやすく製品の良さを伝える必要があります。
技術営業職に向いている人
- コミュニケーション能力が高い人
- 相手の立場に立って、物事をわかりやすく説明できる人
- 新しい知識を獲得するのが好きな人

伊藤うみ
営業職でありながら技術職でもあるのですね! 製品について理解することはもちろんですが、技術職にしかわからない製品の良さを、誰にでもわかるように伝えなければならないという点は大変だと思いますが、その分やりがいも大きそうですね。
⑦MR(医療情報担当者)・薬剤師
最後に医療情報担当者と呼ばれるMRという職種と、専門的な知識が必要とされる薬剤師の仕事について紹介します。
MRとは、製薬会社などに就職して医療関係者に自社の医薬品を紹介および販売をする仕事です。ほかの営業職と異なる点は価格交渉などはおこなわない点です。MRの仕事は人の健康を支える重要な仕事といえるでしょう。
MRに向いている人
- 物事をわかりやすく説明できる人
- 聞く力と話す力の両方が備わっている人
- 相手に必要な情報が何かをすぐに理解できる人
薬剤師についても解説します。薬剤師は病院の処方箋に基づく調剤や、患者への薬の説明をおこなうなど、薬の専門家とも呼べる職業です。
薬剤師に向いている人
- 正確な作業がおこなえる人
- 学び続ける意欲がある人
- 相手の立場になって説明できる人
MRになるための必須の資格などはありませんが、薬剤師は薬系大学で6年間学び、国家試験に合格する必要があります。

伊藤うみ
MRは常に最新の医薬品について学ぶ必要がありそうですね。また、それと同時に営業スキルも身に付けられる仕事なのですね!

高橋キャリアアドバイザー
薬剤師は薬学部で6年間学び、国家試験に合格する必要があります。専門性の高い職種であるからこそ、大学を選択する段階から準備を進めなればなりません。
自分に合った仕事を見つけるための方法はこちらの記事で詳しく解説しています。人生の3割を占める仕事だからこそ、後悔のない企業選びをしましょう。
自分に合った仕事を見つける方程式|人生の3割を占める仕事の選び方
理系学生の就職活動を成功に導く4つのポイント


高橋キャリアアドバイザー
理系学生はその専門性の高さから文系に比べて就職が有利と言われていると説明しましたが、しっかりと対策をしなければ、就活がうまくいかない可能性もあります。

伊藤うみ
対策や準備は何においても重要ですよね……。高橋さん、理系就職を成功させるポイントなどがあればぜひ教えてほしいです!

高橋キャリアアドバイザー
はい! 理系学生が就活を成功させるために意識してほしい4つのポイントがあるので、一緒に確認していきましょう。
①早い段階から就活準備を始める

高橋キャリアアドバイザー
これは文系の就活にも共通していえることなのですが、就活の準備は早い段階からおこないましょう。

伊藤うみ
理系学生は研究と就活の両立が大変なので、特に早めの準備をする必要がありますね!

高橋キャリアアドバイザー
私が説明してきた内容をきちんと理解できていて素晴らしいですね。その通りです。理系学生は研究と就活を並行して進めなければなりません。心に余裕を持つためにも、早い段階から準備を進めましょう。
記事の中でも解説をしましたが、理系学生は文系学生と比べて、就活に割く時間の確保が難しい傾向があります。早い段階から自己分析や業界研究をおこない、大学3年生の時点である程度目指すべき業界が定まっていると、余裕を持って就活を進められるでしょう。
直前に選考対策をしようとしても、授業や研究、アルバイトなどの時間が調整できず、希望の就職先を見つけられなかったという事態にならないよう、計画的に準備を進めるようにしましょう。
キャリアアドバイザーコメント
若林 真穂
プロフィールを見る準備は早いに越したことはない!
理系の学生は研究活動があるため、学業と就活の両立がより大変になる傾向があります。ただし、学業と就活の両立はどの学生にとっても課題となることなので、過度に心配する必要はありません。
しかし、早めの準備をして損になることはありません。インターンが始まる3年生の春〜夏前くらいからは動き出すようにしましょう。就活サイトなどに登録すると、準備の大まかな流れや時期などを把握することができ、安心できます。
準備がままならないまま選考に突入すると、自分の良さも面接でうまく伝えられません。また、企業の選び方も満足いくものにならず、研究活動にも身が入らなかったりすると、ストレスが溜まりやすくなります。
早めに準備をすることで心に余裕をもって就活を進めましょう。
②インターンシップに参加する

高橋キャリアアドバイザー
インターンシップに参加することも理系就活を成功させるポイントになります。

伊藤うみ
インターンシップ……! 聞いたことがあります。

高橋キャリアアドバイザー
インターンシップとは、企業で実際の業務を体験することができる制度のことを指します。志望業界の理解を深めるためにも参加してみましょう。
理系学生の中には、「研究や授業で忙しいから、インターンに参加する余裕がない」「そもそもインターンに参加するメリットはあるのか」と考える人もいるでしょう。
しかし、実際の業務内容に触れることで企業への理解をより深めることができます。また、社員の人柄などから会社の雰囲気を知ることができる貴重な機会です。インターン先で感じたことは面接の回答でも活かすことができるので、積極的に参加してみましょう。
インターンの種類
- 1dayインターン:数時間程度
- 短期インターン:数日から1カ月程度
- 長期インターン:1カ月以上
インターンの参加方法
- 企業のホームページや就活情報サイトから応募する
- 大学のキャリアセンターに相談する。
- OB・OGから紹介してもらう

高橋キャリアアドバイザー
システムエンジニアや研究職、MRといった職種でインターンを開催していることが多いです。人気の高い企業はインターンの定員がすぐに埋まってしまったり、インターンに参加するために選考が必要な場合もあるため、事前の情報収集が大切になりますよ。
理系向けのインターンについてもっと詳しく知りたい人はぜひ次の記事も読んでみてくださいね。インターンの探し方について解説しています。
【理系学生のインターン事情とは】探し方から選考対策まで一挙公開
③応募先を絞りすぎないようにする

高橋キャリアアドバイザー
応募先を絞りすぎないようにすることもポイントです。理系学生のみなさんはそれぞれ専攻分野があるため、志望企業を絞ってしまう傾向があります。

伊藤うみ
志望企業を絞ってはいけないのでしょうか?

高橋キャリアアドバイザー
ある程度絞ることは問題ないのですが、視野が狭くなる危険性もあります。理系は同じ専攻の人とかかわる機会が多いと思いますが、「みんなが目指しているから私も同じ業界を目指そう」「先輩方の進路から志望業界を見つけよう」と考え、視野が狭くなってしまうことがあるのです。
理系学生は必修の授業も多く、同じ人と顔を合わせる機会が多くあります。「周りの友人たちが目指しているから」「研究室の先輩が選んでいる進路」だからといった理由で志望企業を選ぶのではなく、幅広い情報を集めて広い視野で応募先を決定しましょう。
また、研究職や開発職などは理系学生の中でも人気の高い職種と言われています。万が一不採用になってしまったときのことを考え、ほかの業界や職種も見ておきましょう。
理系学生をもとめている企業は多いので、視野を広げることで、より魅力を感じる企業に出会えるかもしれません。
④専門用語ではなくわかりやすい言葉を選ぶ

高橋キャリアアドバイザー
就活を成功に導く最後のポイントは「専門用語ではなくわかりやすい言葉を選ぶ」ということです。

伊藤うみ
応募している職種がそもそも専門性が高いので、専門用語を使っても良いのかと思っていました!

高橋キャリアアドバイザー
選考を担当するすべての社員に専門知識があるとは限りません。また、仕事をするうえで相手にわかりやすく伝える力は大切なので、企業へのアピールにもつながります。誰にでも伝わるような説明を心掛けましょう。
書類に大学でおこなっていた研究内容を記載するときや、面接で自分が研究で頑張ったことを伝える際、専門用語ばかり使うのは避けましょう。誰にでもわかる言葉で、簡潔に伝えることを心掛けてみてください。
選考を担当するすべての社員が、幅広い分野の専門的な知識があるとは限りません。せっかく努力したことを伝えても、出てくる言葉の意味がわからなければ、その努力は伝わりません。注意しましょう。

高橋キャリアアドバイザー
自分の研究について知らない人や文系の学部に友人がいれば、その人に内容を確認してもらいましょう。内容が伝わらない部分があれば、わかりやすい言葉に修正していくことで、より魅力的な回答となりますよ!
早期離職を防ぐ! 自分に向かない職業がわかる適職診断
自分に向いていない職業に就くと、業務へのモチベーションを保てなかったり、実力を発揮できなかったりと、早期離職の可能性が高まります。
そこで、リスク回避に役立つのが「適職診断」。たった12の質問に答えるだけで、自分の性格にぴったり合う職業を発見できます。
適職診断で自分が活躍できる仕事を見つけましょう。
・苦手な業務が少ない職業に就きたい人
・自己分析を手軽に済ませたい人
理系の就職活動に役立つ! おすすめの資格を学部別に紹介

就活を有利に進めるために、資格取得を検討している理系学生もいるでしょう。
ここからは理系就職に役立つおすすめの資格を、学部別に紹介していきます。学業と就活の両立で忙しい理系学生だからこそ、闇雲に資格取得を目指すのではなく、さまざまな資格の情報を得ることで、自分に合った資格に挑戦しましょう。

高橋キャリアアドバイザー
全学部におすすめしたい資格から、学部別のおすすめ資格まで幅広く紹介しています。まずは自分の学部に当てはまる資格から参考にしてみてくださいね。
全学部:AI検定・TOEIC
AI検定とTOEICは専攻に限らず、全学部の学生におすすめできる資格です。
AI検定とは、その名の通りAIに関する検定です。AIとは人工知能と呼ばれる、人間の知能を模倣する技術のことを指します。
AI検定は誰でも受験できる資格となっていて、人工知能の基礎知識から、ビジネスシーンに使われているAIについての事例問題まで幅広く出題されます。リモートでも試験を受けることが可能です。
AI検定
- 難易度:★★☆☆☆
- 受験資格:特になし
- 開催頻度:団体試験であれば自由実施
- 特徴:リモートでも受験可能

高橋キャリアアドバイザー
AIは今後どの企業でも取り入れられるでしょう。今から基礎知識を身につけておくことでどの業界でもアピールにつながりますよ。
TOEICは英語のビジネスコミュニケーションのスキルをはかるための試験です。文系理系に限らず、人気企業ではTOEICの点数で候補者を絞るといったケースも見受けられます。
研究職など海外の論文を読む機会がある職種を希望している場合や、海外に拠点がある企業を志望している場合にはTOEICを受けることをおすすめします。
TOEIC
- 難易度:★★★☆☆
- 受験資格:特になし
- 開催頻度:年に10回程度
- 特徴:全国各地で実施

高橋キャリアアドバイザー
どちらの資格にチャレンジしても、企業からもとめられるスキルを習得できます。興味のある人はぜひ挑戦してみてくださいね。
語学力を重視する企業の中には選考に英語面接を取り入れている企業もあります。英語面接についてのマナーや流れ、対策方法についてはこちらの記事で確認できます。例文も豊富に紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
マンガ付き! 英語面接の質問例70選と不安解消術を大公開
理工系:弁理士
理工系の学生におすすめなのは弁理士の資格です。弁理士とは、知的財産に関する法律のスペシャリストのことです。知的財産とは、誰かのアイデアによって生まれた創作物のことを指します。
この知的財産を守るために、企業は特許を取得します。特許取得を企業に代わっておこなうのが弁理士の業務になるのです。
知的財産には研究によって得られた成果なども含まれます。そのため、研究や開発に携わりたいと考える理工系の学生にとって目指す価値ある資格といえるでしょう。
弁理士
- 難易度:★★★★★
- 受験資格:特になし
- 開催頻度:5月:1次試験/7月:2次試験/10月:3次試験
- 特徴:「短答」「論文」「口述」試験の3段階になっている

高橋キャリアアドバイザー
合格率は10%未満であり、かなり難易度の高い資格です。就活や研究に余裕のない場合は、取得は難しいでしょう。ただ「弁理士を取得するために毎日〇時間勉強しています」など、努力の過程もアピールにつながる可能性があるので、知識をつけるに越したことはありません。
理学系:アクチュアリー試験
数学を得意とする理学系の学生におすすめなのが、アクチュアリー試験です。合格率は20%以下の難関資格となっています。
アクチュアリーとは数理の専門家であり、取得後は金融業界や保険業界で活躍することができます。具体的な業務としては、さまざまな統計データをもとに、保険商品の価格設定や企業の収支状況の評価をおこなったりします。
アクチュアリー試験の1次試験では確率や統計を使った計算問題、2次試験は実際の業務に関連した問題が出題されます。
アクチュアリー試験
- 難易度:★★★★★
- 受験資格:大学3年生以上
- 開催頻度:年に1回/12月
- 特徴:1次試験と2次試験の両方に合格する必要がある

高橋キャリアアドバイザー
大学3年生以上が受験できる資格になっていますが、こちらも難易度の高い試験です。しかし、1次試験の中でいくつかの科目に合格しているだけでも評価につながる可能性があります。社会人になってからも勉強を続けるという意欲を伝えられると、なお良いでしょう。
工学系:情報系資格
工学系の中でも特に情報工学を専攻している学生におすすめなのが、ITパスポートや情報セキュリティマネジメントといった情報系資格となります。
IT化が進む現代においてITに関する幅広い知識を身に付けていることはどの職種でも大きなアピールとなります。
ITパスポートとは、情報システムやネットワーク、データベースについてなどITに関する基本的な知識があることを証明する国家資格です。ほかの国家試験と比べると難易度は低く、挑戦しやすい資格といえます。
ITパスポート
- 難易度:★★☆☆☆
- 受験資格:特になし
- 開催頻度:受験日を自由に選択できる
- 特徴:コンピュータを利用して実施する試験方式のため、試験日や会場が選択可能
情報セキュリティマネジメント試験は、組織の情報を守るためのスキルを認定するIT系の国家資格です。ITパスポートと同じように難易度は低く、合格率は5割程度です。
情報セキュリティマネジメント試験
- 難易度:★★☆☆☆
- 受験資格:特になし
- 開催頻度:受験日を自由に選択できる
- 特徴:ITパスポートと同じく、コンピュータを利用して実施する試験方式のため、試験日や会場が選択可能

伊藤うみ
勉強時間を確保できれば、十分合格の可能性がありそうですね! 工学系が得意とする資格かもしれませんが、どの職種でも活かせる資格なので、私もチャレンジしてみようかな……!
農学系:毒物劇物取扱責任者試験
最後に紹介するのは毒物劇物取扱責任者試験です。農薬などの毒物や劇物の製造・輸入に携われるのが毒物劇物責任者となっています。農薬の研究などに興味のある学生におすすめの資格となっています。
この資格は、都道府県ごとに実施されており、出題傾向なども都道府県ごとに異なります。しかし、実施日も異なるため、住んでいる地域の試験に受からなかった場合は行ける範囲の都道府県で再度受験することができるというメリットもあります。
毒物劇物取扱責任者試験
- 難易度:★★★☆☆
- 受験資格:学歴などに制限はないが18歳未満や薬物中毒者などは受けられない
- 開催頻度:年1回
- 特徴:都道府県ごとに年1回開催されているため、居住地の地域の試験に落ちても近隣の都道府県で再度受験可能

高橋キャリアアドバイザー
決して簡単な試験ではありませんが、チャンスも多く、しっかりと勉強すれば合格も見込めます! 農薬に限らず、塗料や接着剤、薬を扱う企業など、さまざまな業界で活きる資格です。ぜひ興味のある方は挑戦してみましょう。
資格を取得している学生のみなさんは、履歴書などの書類を作成する際、資格の書き方に悩んだ経験はないでしょうか。こちらの記事では履歴書の資格・免許欄の正しい書き方について解説しています。選考が本格的にスタートする前にチェックしておきましょう。
もう迷わない! 履歴書の資格・免許欄の正しい書き方完全ガイド
理系学生の就職活動カレンダーをチェック


高橋キャリアアドバイザー
これまで、理系学生の就活事情や、理系学生ならではの強み、就活に活かせる資格など、幅広く解説してきましたが最後に理系学生の就活スケジュールを確認しましょう。

伊藤うみ
高橋さん、たくさん解説していただきありがとうございました。最後に就活スケジュールを確認して、私も計画を立てていきたいと思います。

高橋キャリアアドバイザー
素晴らしいですね。就活は大学3年生からスタートし、大学4年生の秋頃まで続く、非常に長い闘いとなります。事前にしっかりとスケジュールを把握し、余裕を持って準備を進めましょう!
就活準備から内定までのスケジュールについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。就活全体のスケジュールをつかむことで、準備もしやすくなるため、併せて確認してみてください。
就活で内定が出る時期はいつ? 準備から内定までの道のりを徹底解説
大学3年生4月~:情報収集をスタート
就活準備は早い段階から進めるに越したことはありません。大学3年生の6月頃からインターンの選考が始まるため、それまでの期間は自己分析や業界・企業研究などを進めましょう。
自己分析をすることで自分がどのような仕事に就きたいのかが見えてきます。自己分析結果をもとに、業界研究や企業研究をおこないましょう。
自己分析方法の一例
- 自分史を作成する
- 自分がどのような場面で頑張れたのかモチベーショングラフを作成する
- マインドマップを使う
- 自分の長所や短所を書き出す
- 適性検査を受ける
業界研究や企業研究の一例
- ①まずは幅広い業界について調べる
- ②それぞれの業界トップの企業を調べる
- ③各業界の企業同士の関係性について調べる
- ④興味のある業界や企業の最新情報やトレンドについて調べる
- ⑤興味のある企業の事業内容や経営理念、募集要項などを調べる
- ⑥OB・OG訪問などを利用し、実際に働く社員に話を聞く

伊藤うみ
理系だからこそ、就活の準備は早い段階からスタートさせる必要があるのですね。選考が本格的に始まる前に、しっかり自己分析などをおこなうことで自分とマッチ度の高い企業を見つけたいと思います!
自己分析の方法の1つにマインドマップを使った方法があります。マインドマップを使った自己分析のやり方は、こちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
マインドマップで始める自己分析|「本当の自分」を紙に描き出そう
就活の準備期間にはOB・OG訪問も活用しましょう。OB・OG訪問では質問をする内容で充実度が変わってきます。就活における貴重な情報をたくさん獲得するためにも質問の仕方をマスターしましょう。
質問例80選|OB・OG訪問の質問で就活の心配事を一掃しよう!
キャリアアドバイザーコメント
テッ ター スェ
プロフィールを見るスケジュールがわかっているからこそ準備は念入りに
選考が本格的に始まるのは4年生の6月からですが、情報解禁となるのは3年生の3月です。そこからはどんどんエントリーし、説明会に参加、面接といった選考本番の活動が続きます。
この時までに、自己分析しておき、自分の希望が叶う会社はどんなところがあるのかということを業界研究や企業研究、OB・OG訪問などでつかんでおく必要があります。そのような準備を3年生の3月までにしておくと、その後の就活をスムーズに進められるでしょう。
大方の就職活動のスケジュールが明らかになっており、いつまでに何をするべきかはわかっている状態です。それをどう捉えてどう行動するか、つまり手に入れた情報をいかに活用するかで差が生まれるのです。ぜひ早めの準備をして希望の内定を獲得してほしいと思います。
大学3年生6月~:インターンの申し込み
大学3年生の6月からはインターンの申し込みがスタートします。記事の中でも紹介したようにさまざまな種類のインターンがあるので、しっかりと事前に情報を集め、積極的に参加しましょう。
インターンに参加することで、会社の雰囲気をつかむことができます。また、説明会では聞けなかった質問を社員に聞くチャンスもあるでしょう。より深く企業について知るためにインターンを活用してみてください。

高橋キャリアアドバイザー
就活が本格化し選考がスタートしてしまうと、学業との両立もより難しくなります。大学3年生の夏休みの期間などを利用して、時間の余裕がある時にインターンに参加してみましょう。
インターンについては、こちらの記事で詳しく解説しています。事前準備などに不安のある方はこちらの記事も併せて確認してみてくださいね。
インターンとは? 意味・特徴・時期・準備・すべきことを一挙解説!
大学3年生2月~大学4年生5月:説明会・エントリー
大学3年生の2月〜大学4年生の5月にかけて、各企業の説明会が開催され、いよいよエントリーが始まります。
人気の企業であればあるほど説明会の予約もすぐに埋まってしまいます。また、合同企業説明会や理系学生だけが参加できる説明会、説明会と選考を同時におこなう選考直結型の説明会など、さまざまな種類があるため、しっかりと事前に情報を収集しましょう。
説明会に参加し、ある程度志望企業が選べたらエントリーをしていきます。記事の中でも解説したとおり、志望企業は絞りすぎないことがポイントになります。

高橋キャリアアドバイザー
説明会に複数参加したり、ESの作成に追われたりと、理系学生は学業との両立が徐々に大変になってきます。そのため、余裕を持って大学3年生の秋頃から企業のホームページなどをチェックし、エントリーする企業を考えていきましょう。
大学4年生6月~:選考がスタート
大学4年生の6月になると、本格的に選考がスタートします。筆記試験や適性検査、面接と次々に予定が埋まっていくでしょう。学校推薦への申し込みもこの時期に開始する大学が多いため、情報収集は常におこなうことをおすすめします。
企業によっては選考のスピードや時期が違うため、選考対策は大学3年生の冬頃から開始すると余裕をもって本番を迎えられます。

高橋キャリアアドバイザー
何かと忙しい理系学生。適度にリフレッシュをしながら、選考を進めてくださいね。
面接のマナーについては、こちらの記事で解説しています。振る舞いや身だしなみ、言葉遣いなどに不安がある方はこちらの記事を参考にしましょう。
面接マナーはこれでOK|「振る舞い・身だしなみ・言葉遣い」を解説
近年、WEB面接を実施する企業も増えています。WEB面接ならではの選考対策についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ確認してみてください。
web面接対策が全部わかる|画面上の自分をさらに魅力的にする方法
理系から文系は難しい? 理系学生の文系就職について解説


伊藤うみ
理系学生の就活について理解が深まりました! ありがとうございます!

高橋キャリアアドバイザー
それは良かったです!

伊藤うみ
もっと就職についての情報を幅広く集めたいと思っています! 理系就職の情報は先輩方からも手に入りやすいのですが、文系就職についての情報はなかなか手に入らず……。高橋さん、理系の文系就職についての情報も教えてもらえませんか?

高橋キャリアアドバイザー
もちろんです! では最後に理系の文系就職について解説しましょう。
理系学生の中には「文系の職種について興味があるけど理系でも就職できるのか不安」であったり「文系就職をしたいけれど、まったく情報が入ってこない」などの悩みを抱えている学生もいるでしょう。
そんな学生に向けて理系学生が文系就職をするメリットやデメリットなどを解説していきます。文系就職に興味のある学生はぜひ読んでみてください。
そもそも文系就職とは? 主な業界や職種を紹介

高橋キャリアアドバイザー
そもそも文系就職と聞いて、伊藤さんはどのような業界や職種を思い浮かべますか?

伊藤うみ
営業職、総合職、事務職とかですかね……。

高橋キャリアアドバイザー
そうですね。文系就職と一口に言ってもさまざまですが、営業職や企画職、総合職のほか、人事や総務などの仕事が文系就職と言われることが多いです。業界で言うと、金融系や商社、マスコミ、広告代理店など幅広く考えられます。
文系就職に明確な定義はありませんが、いわゆる「文系職」と言われる職業に就くことを指しています。文系学生はある特定の分野への就職というよりも、幅広い職種を選ぶことができるという特徴があります。
文系学生の就職先として多い職種
- 営業
- 事務
- 企画
- 販売
- 人事
- 総務
- 経理
- 広報
文系が就職する業界もさまざまです。業界内でもさらに細かくジャンルがわかれています。たとえば、サービス業界と一口にいっても、飲食、宿泊、福祉など細かく分類することができます。
文系の就職先として多い業界
- 金融業界
- メーカー業界
- 通信業界
- 不動産業界
- マスコミ業界
- 保険業界
- サービス業界
以上のことから、文系学生は就職先の選択肢が多いといえるでしょう。
理系学生が文系就職をするメリットとデメリットを紹介

伊藤うみ
文系学生の就職先は幅広いのですね! 未経験でも幅広い仕事に挑戦できるのは良いですね。

高橋キャリアアドバイザー
そうですね。選択肢が多い分、悩むことも多いでしょう。ただ、入社してから専門性を磨くことができる文系就職は、個人の努力次第で、さまざまな可能性が広がります。

伊藤うみ
なんだか、文系就職にも興味が出てきました!

高橋キャリアアドバイザー
視野が広げられてとても良いですね! では、ここからは理系学生が文系就職をするメリットやデメリットについてお伝えしましょう。
理系学生が文系就職を目指すのは、実はそこまで難しいことではないのです。アピールの仕方によっては、文系よりも有利に就活を進めることが可能です。
ただ、理系学生は文系学生と比べて、研究などの学業と就活の両立が難しいなどの側面もあります。メリットやデメリットを理解したうえで、文系就職も視野に入れると良いでしょう。
メリット①:文系就職を希望する背景が差別化になる

高橋キャリアアドバイザー
理系学生が文系就職をするメリットは「文系就職を希望する背景が差別化になる」ということです。

伊藤うみ
……? どういうことでしょうか?

高橋キャリアアドバイザー
まず、文系職種は文系学生の応募が多いため、理系学生というだけでも印象に残りやすくなります。企業担当者は「どうして理系なのに応募してきたのだろう」と文系就職を希望した背景に興味をいだくわけです。

伊藤うみ
確かに、理系学生の志望理由は担当者も気になりますね!
まず1つ目のメリットとして挙げられるのは、文系就職を希望する背景が差別化になるということです。文系就職は文系学生が応募するため、理系学生であるというだけでも担当者の興味を惹きます。
そのうえで、理系学生ならではの視点で志望理由を述べることで文系学生との差別化につながります。
たとえば、企画職を志望していたとします。社内の技術職や開発職と連携をとるうえで、理系のバックグラウンドを持っていることは非常に大きなメリットとなります。技術職や開発職の話を理解できたり、気持ちがわかるからこそ、文系職種との関係の架け橋となれたり、より良い企画を考えることができるのです。
以上のように、理系学生ならではの視点やバックグラウンドが、文系学生との差別化につながるというメリットがあります。
メリット②:専門性を活かせる

高橋キャリアアドバイザー
実は、文系就職でも理系学生の専門性が活かせる場合があります。

伊藤うみ
文系就職なのにですか……?

高橋キャリアアドバイザー
そうなのです。文系就職の中でも自分の専攻に近い業界があれば、専門性を活かすことも可能ですよ!
文系就職の中には、理系学生の専門性を活かせる業界があります。たとえ営業や商品企画といった文系職種でも、食品や医薬品を扱う企業であれば、理系の知識が活かせる可能性があります。
商品やサービスについての予備知識があるかないかで文系学生と差をつけられるかもしれません。たとえ文系就職であっても、自分が学んできたことは存分に活かしましょう。

高橋キャリアアドバイザー
文系学生であっても志望企業の商品やサービスについて、徹底的に調べ上げている可能性もあります。理系だからといって手を抜くことはせず、しっかりと企業研究をおこないましょう!
キャリアアドバイザーコメント
若林 真穂
プロフィールを見るIT業界では文系からの就職も増えている
現在、テクノロジーの急激な発達にともなってITに強い人材がもとめられています。IT人材が求められているのは事実ですが、だからといって理系の学生が飛び抜けて有利かというとそうとも言えません。
確かに理系の人材が好まれる面も一部ありますが、IT分野には専門知識だけでなく、コミュニケーション能力や、表現力、幅広い知識など、一般的に文系出身の学生の特徴と言われている能力も大いに必要だからです。
IT業界を志望する理系の学生は自分たちが有利だとは思わず、しっかりと準備をして就職活動に臨んでほしいと思います。そうすることで、自身の専門性や学んできたことをしっかりとアピールすることができるのです。
デメリット①:就活と研究の両立が大変

伊藤うみ
メリットを聞くと、何だか文系職種でも理系学生の方が有利な気がしてきますね。

高橋キャリアアドバイザー
実際、アピール次第では理系学生も十分に文系就職を目指すことができます。ただ、メリットにデメリットはつきものです。理系学生が文系就職をするデメリットも解説していきます。

伊藤うみ
デメリットを就活の早い段階で知っておくことで対策できますね!

高橋キャリアアドバイザー
素晴らしい考え方ですね。その通りです。では1つ目のデメリットを紹介します。それは「就活と研究の両立が大変」ということです。
理系学生と文系学生の大きな違いとして、就活に割ける時間が違うということが挙げられます。大学やゼミによって異なりますが、理系は文系に比べて研究に時間をとられてしまう傾向があります。
また、大学1年生から順調に単位を取得している場合、文系学生は大学4年生の時点である程度単位を取り切っている状態になることが予想されますが、理系学生は研究のために大学へ行く機会も多いでしょう。
以上の理由から、理系学生は就活への準備時間を十分に取ることが難しいと言われています。準備不足とならないためには、早い段階から自己分析や業界研究をおこなったり、選考直結型の説明会に参加し、効率的に就活を進めるなどの工夫が必要です。

高橋キャリアアドバイザー
可能であれば、教授に研究と就活の両立が図れるようなスケジュールにできないか相談できるといいですね!
デメリット②:文系就職の情報を集めづらい

高橋キャリアアドバイザー
もう1つデメリットがあります。それは「文系就職の情報を集めづらい」ということです。

伊藤うみ
確かに、それはそうですね。周りにも理系の友人が多く、文系就職について相談したり、情報共有し合ったりする人はなかなかいません。
理系学生が文系就職をする際、文系学生との情報格差は大きなデメリットとなります。そもそも理系学生の中で文系就職をする学生は少なく、文系就職の情報を集めるのは難しいといえます。
文系就職の情報を集めるためには、合同企業説明会に参加し、文系就職を目指す友人を見つけたり、大学のキャリアセンターで志望企業のOB・OG訪問ができないかを相談するなどの方法が考えられます。

高橋キャリアアドバイザー
理系学生は文系就職に関する情報を自ら取得しにいかなければなりません。しかし、説明会で同じ業界を目指す友人を見つけたり、SNSを活用して学生同士の交流会イベントを探すなど、同じ境遇の仲間を見つけるチャンスはたくさんありますよ!
文系の就職先については、こちらの記事で詳しく解説しています。文系の職種についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もチェックしましょう。
仕事一覧付き! 文系が就ける仕事と特徴|理系との違いまで徹底解説
理系の就職事情をいち早く理解してライバルに一歩差を付けよう

高橋キャリアアドバイザー
伊藤さん、理系学生の就活事情について理解できたでしょうか?

伊藤うみ
はい! 理系学生が就活をおこなううえで重要なポイントをつかめました! 理系学生ならではの強みを活かして、就活を進めたいと思います。

高橋キャリアアドバイザー
それは良かったです!

伊藤うみ
また、理系学生は研究や授業でなかなか就活に時間が割けないことがわかったので、大学3年生の今からすぐに動き出さなければならないなと思いました! まずは自己分析や業界研究から始めます。

高橋キャリアアドバイザー
素晴らしいですね。就活準備についてわからないことがあればいつでも相談してください。今の自分の頑張りが必ず就活を成功に導いてくれるので、一緒に就活の準備をしていきましょう!

記事の編集責任者 小山内 隆
この記事のアドバイザー