目次
就活の軸を立てる! 自己分析ノートで「過去・現在・未来」を見つめ直そう
田中キャリアアドバイザー
2人は「自己分析ノート」を作ったことはありますか?
佐藤みなと
名前は聞いたことはありますが、まだ一度も作ったことはないです。そもそもよくわからなくて……。
伊藤うみ
以前一度作ったことがあるのですが、なんだか浅い内容になってしまって、上手くできなかった苦い経験があります。
田中キャリアアドバイザー
就活に欠かせない自己分析をより効果的にするのが「自己分析ノート」です。作り方のコツを知れば頼れる就活の味方となります。これから解説していきますね。
佐藤みなと
ぜひ詳しく教えてください!
伊藤うみ
しっかりメモを取って、次こそは成功させます!
「自己分析ノートって何?」「どう作ればいいの?」こういった悩みを抱える人は多くいます。この記事では、自己分析ノートの基礎知識から、そのメリット、さらには作り方と活かし方までを解説しているので、自己分析ノートにまつわる悩みは、内容を確認すれば解決できること間違いなしです。
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「自己分析ノート」って知ってる? まず知っておきたい基礎知識
田中キャリアアドバイザー
そもそも自己分析ノートって、具体的にどういうものかなんとなくイメージできますか?
佐藤みなと
うーん……。ノートを使って自己分析をする方法とかでしょうか。
田中キャリアアドバイザー
大枠としては間違っていません。ただ、もっと具体的に詳しく知れば、完成形がイメージしやすくなります。作成で迷うことも少なくなるので、まずは「自己分析ノートとは?」を確認していきましょう。
佐藤みなと
まだわからないことだらけなので、ぜひ詳しく教えてください!
ノートに自分の経験や思考を書き出して自己理解を深めること
田中キャリアアドバイザー
「ノートに自分の経験や思考を書き出して自己理解を深めること」。これが自己分析ノートの目的です。
佐藤みなと
自分を知るためにおこなうわけですね。ただ、どうしてわざわざノートに書くのでしょうか?
田中キャリアアドバイザー
その理由については今から解説しますね。
自分のことをノートに書き出して、「自分ってどういう人なのかな」ということを徹底的に調べ上げる。これが自己分析ノートの目的です。
頭の中で自分を振り返っても、中々考えはまとまりません。目に見える形で情報をノートに書き出していくことで、グッと自己理解を深めることができるのです。
田中キャリアアドバイザー
自己分析ノートの前提はこれで掴めましたね。ここからはさらに詳しく確認していきましょう。
自己分析には、自己分析ノート以外にも効果的なやり方があります。この記事も確認して方法に迷わないようにしましょう。
簡単15のやり方で自己分析はもう迷わない! 活用法を徹底解説
自分を見える化するために、自己分析シートを作るという方法もあります。この記事では6種類の自己分析シートを紹介しているので、自分に合った自己分析シートの作り方をチェックしてみてください。
自己分析シート|書き方を完全マスター!NG行動もあわせて解説!
自分の強み・弱みがわからない人は今すぐ診断しよう
自分の弱みはわかっても、強みはすぐに思いつかないですよね。「それ強みって言えないよ」と思われたくない人も多いはず。
そんな時は「自己分析ツール」で診断しましょう。36問の簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みに加えて、向いている職業も診断できます。
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そもそも必要? 自己分析をする意味とは
田中キャリアアドバイザー
自己分析に対して、「本当に必要なのかな?」と感じてはいませんか?
佐藤みなと
実は少し感じています……。
田中キャリアアドバイザー
それは自己分析をおこなう意味をまだ理解できていないからですね。実際におこなうとどんなことが起きるのかを知れば、その必要性が理解できるはず。これから詳しく解説しますね。
佐藤みなと
ぜひ教えていただきたいです!
自己分析をする意味
- 就活のスタートライに立つため
- 入社後にも役立つ「軸」を見つけるため
自己分析は就活のスタートラインに立つための準備
佐藤みなと
そもそも何故自己分析をする必要があるのでしょうか?
田中キャリアアドバイザー
自己分析をしないと「やりたいことがわからない」という状況に陥ってしまう可能性があるのが大きな理由ですね。
佐藤みなと
なんだか怖いですね……。やりたいことがわからないと、どんな悪影響があるんだろう……。
田中キャリアアドバイザー
目指すべきゴールが立てられず、走り出すことができないのです。就活のスタートに出遅れてしまうんですね。そうなると、他の就活生に差を付けられてしまうので、自己分析は必要なのです。
佐藤みなと
自己分析はやらなくていいや、なんてもう思えないですね。
就活を始めるためには、志望企業を決める必要があります。そのためには自分がどんなことに興味があり、どんな強みがあるのかを知らなければなりません。つまり、就活のスタートラインに立つために、自己分析は必須の作業なのです。
「志望企業を決めたいけれど、自分に合った仕事がわからない」。この記事をチェックして、悩みを解消しましょう。
自分に合った仕事を見つける方程式|人生の3割を占める仕事の選び方
強みがどうしても見つからない人は次の記事を読んでみてください。こちらでは、思いもしなかったところにあるかもしれない、強みの見つけ方について紹介しています。
厳選23例文|自分の隠れた強みが見つかる3つの方法と伝え方を伝授
就活から入社後まで役立てられる自分の「軸」を見つけられる
田中キャリアアドバイザー
自己分析が必要な理由には、「自分の「軸」を見つけられるから
というのもあります。
佐藤みなと
軸って何ですか?
田中キャリアアドバイザー
軸とは、「自分はどうしたいのか」「自分はどうなりたいのか」という判断の基準となるもので、就活のみならず、就職後の進むべき道を示してくれるのです。
佐藤みなと
就活だけのためというよりも、自分の人生においても重要なものなのですね。
自己分析で見つける自分の軸は、志望企業を選ぶときから、自己PRや志望動機の作成、さらには入社後のキャリア選択においても活かせる大切な指針となります。これからのキャリアに必要な情報が得られるからこそ、自己分析は欠かせないわけですね。
企業選びの軸は、選考で聞かれることもあります。「軸はあるけれどうまく回答できない」といった事態を防ぐために、この記事も読んでおきましょう。
例文45選! 企業選びの軸を伝える3ステップで面接を突破しよう
キャリアアドバイザーコメント
若林 真穂
プロフィールを見る自己分析不足は社会人になるための準備不足ととられる
自己分析が足りていないと、企業は「社会人になる準備ができていない」という印象を抱きます。就職活動は「限られた時間内で、初対面の相手にもわかるように、言葉で説明して理解してもらう」というルールの上で行われますが、それは仕事にも言えること。
たとえば、初対面のお客様を相手に、その人がわかる言葉で説明して商品などを買ってもらうなどします。そのため、「あなたの強みは何ですか」などの質問に、限られた時間でわかりやすく的確に言葉で伝えることは就職活動のルールであり、同時に社会人のルールでもあるのです。そして、質問に的確に答えるためには、自分自身をしっかりと振り返り、考えなどを相手がわかるような言葉にしておかなければなりません。これが自己分析であり、できないと「社会人になる準備ができていない」と判断されてしまいます。
就活は、適職診断からはじめてください
就活では、自分が適性のある職業を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます。
そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。
適職診断で強み・弱みを理解し、自分がどんな職業に適性があるのか知りましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
メリットを理解して役立てる! 自己分析ノートを作ることのメリット
- 紙とペンがあればいつでもどこでも始められる
- 自己理解を深められる
佐藤みなと
自己分析の必要性はわかりましたが、なぜノートを作る必要があるのですか?
田中キャリアアドバイザー
では、自己分析ノートを作ることのメリットを解説しますね。メリットを知れば、必要性を理解できるだけでなく、どう役立てられるかイメージしやすくなります。一緒に確認していきましょう。
佐藤みなと
気になってきました!
必要なのは紙とペンだけ! いつどこでも始められる
田中キャリアアドバイザー
作成に必要なものは、紙とペンだけ。この手軽さがメリットの1つですね。
佐藤みなと
準備も簡単だし、場所を選ばずにできるのですね!
準備が楽なことに加えて、作業としても紙に書き出すだけですから場所を選びません。講義の間や、アルバイトまでの待ち時間などの隙間時間におこなうこともできます。
いちいちパソコンを使ったり、専用の道具を買う必要もありません。やりたいときに、どこでも、手軽に始められるのです。
田中キャリアアドバイザー
実際の作り方については記事の後半で解説していますので、そちらもぜひ確認してくださいね。
ぼんやりしていた「自分」を言語化することで自己理解が深まる
田中キャリアアドバイザー
手を使って紙に書き起こすことで、自分でも知らなかった新たな一面を発見できたりする点もメリットの1つです。
佐藤みなと
本当ですか? 頭で考えるよりも効果が出る……?
田中キャリアアドバイザー
目に見える形で整理していくと、情報が洗い出せるのでより理解がしやすくなるのです。これは試してみると、効果が実感できると思いますよ!
佐藤みなと
それは気になりますね。早速試してみます!
頭の中だけで「私は何が好きで、何が得意なのかな」とグルグル考えていても、考えはまとまるばかりか、糸が絡まったようにこじれてしまうことがよくあります。
そこで、紙に書き出してみる。自分の情報を書き出して言語化していくと、頭の中も整理されるので、「こんなこと考えていたんだな」と自己理解が深まりやすいのです。頭だけでなく、手を使って自分を調べ上げていきましょう。
自己分析ノートを活用して発見しておくべき「3つの自分」
佐藤みなと
そういえば自己分析ノートを使って、何を見つけておけば良いのかな。
伊藤うみ
うーん……。自分の強みとかかな?
田中キャリアアドバイザー
大正解です! 強みはぜひ探しておきたいポイントです。
伊藤うみ
一番イメージがしやすかったです!
田中キャリアアドバイザー
強みのほかにも、「どんなことに興味があるのか」「どんな人になりたいのか」も探しておきたいポイントですね。それぞれについてはこの後で詳しく解説します。
佐藤みなと
ぜひお願いします!
①「企業選び」に役立てる! 自分はどんなことに興味があるのか
田中キャリアアドバイザー
まずは「どんなことに興味があるのか」を調べましょう。
佐藤みなと
どうして興味があることを調べる必要があるのでしょうか? 仕事には関係ない気が……。
田中キャリアアドバイザー
実は、興味の方向性を知ることができれば、企業選びがスムーズに進められるからです。今から詳しく説明しますね。
佐藤みなと
ぜひお願いします!
自己分析ノートを使って調べておきたいのが、「自分はどんなことに興味があるのか」です。興味の方向性を知ることができれば、企業選びがスムーズに進みます。
たとえば、「カフェ」に興味があるなら、カフェのキッチンスタッフ、バリスタ、ホールスタッフなどが候補にあがります。カフェの内装に興味があるなら、インテリアや建築関係の仕事。料理に興味があるなら食品業界の仕事など、興味を知るだけで進むべき道が絞れるのです。
田中キャリアアドバイザー
志望企業が素早く決まれば、その分選考対策に時間をかけられます。差を付けるチャンスが生まれるのです。
企業選びをするときに活用したいのが「就職四季報」です。就職四季報には企業のさまざまな情報が載っています。自己分析ノートを使って興味の方向性がわかったら、企業選びの際にぜひ就活四季報を活用してみてください。
就職四季報で得られる情報とは? 就活生のバイブルを徹底解説!
②「選考対策」に役立てる! 自分の強みやアピールポイントは何か
伊藤うみ
先ほど「自分の強み」も探しておきたいポイントとおっしゃっていましたが、それって自己PRに使えるからですか?
田中キャリアアドバイザー
その通り! ただ、使えるのは自己PRだけではありません。選考対策全般で役立てられるので、これはぜひ見つけておきたいですね。
伊藤うみ
確かに、自分の強みがわかっていれば、自分の強みを活かし環境を選ぶ形で、企業選びにも使えそうです!
田中キャリアアドバイザー
素晴らしい着眼点ですね。
選考は自分の魅力を伝えて、「この人を採用したいな」と思わせなければなりません。そのためには、「私は〇〇が得意」「〇〇なところが長所」と押し出す魅力を明確にしておく必要があります。
そんな、いわば自分の「アピールポイント」を見つけておけば、自己PRの作成から頻出質問への回答作成などの、必須の選考対策がスムーズに進められるのです。
田中キャリアアドバイザー
選考対策においても自己分析ノートは大活躍というわけです!
「自己分析をしても、長所や短所がわからない」そのような人は、こちらの記事をチェックしてみましょう。
脱「長所と短所がわからない」2つを見つける最短ルートマニュアル
苦手なこともないけど、これといって得意なこともない。自己分析でそう判断できたなら、「器用貧乏」という資質を備えている可能性があります。器用貧乏は活かし方さえ知っていれば十分アピールポイントになるので、ぜひこちらの記事で詳細を確認しておきましょう。
器用貧乏な人が内定を掴む3ステップ|「言い換え」で魅力を引き出せ
③「キャリアプラン」に役立てる! 自分は将来どんな人になりたいのか
田中キャリアアドバイザー
「将来どんな人になりたいのか」についても調べておきたいですね。
佐藤みなと
まだ就活中なのに、将来のことを考えるのですか?
田中キャリアアドバイザー
就活中だからこそです。将来どうなりたいか、自分のゴールを決めておけば逆算して行動指針が立てられるので、キャリアプランを立てられるのです。
佐藤みなと
就活だけじゃなくて、入社後にも役立ちそうですね。
将来どんな仕事に就いて、どんな人に成長して、どんな人生を歩んでいきたいのか……。具体的になるまで考えてみましょう。選考では「キャリアプランを教えてください」と聞かれることがよくあります。将来どうなりたいのかを具体的に考えられていれば、この質問も簡単に答えられますね。
将来どんな人になりたいのかがイメージできたら、それに到達するまでの道筋を、3年ごとや5年ごとに区切って行動指針を立てておきましょう。よりキャリアプランについての回答が作りやすくなります。
キャリア形成については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひチェックしてくださいね。
令和新時代のキャリア形成とは? 未来をデザインすることの重要性
選考では、「将来像」が問われることも。突然の質問に焦らないよう、こちらの記事を確認しておきましょう。
将来像は人生の地図|「立て方」と「伝え方」を極めて未来を掴み取れ
キャリアアドバイザーコメント
神谷 政利
プロフィールを見る得意なことを探すと自分に合った仕事を探すヒントにできる
得意なことも明確にしておきましょう。「強み」とも近いですが、強みが協調性や粘り強さなどの内面的で少々抽象的なものである一方、「得意なこと」は行動です。
たとえば「常に新しいことを考えて工夫する」「初対面の人とすぐに仲良くなって会話を続けることができる」などがありますね。ちなみに、得意なことは「興味のあること」と混同しやすいので注意してくださいね。得意なことは、特に努力や意識しているわけではないけれど人よりもうまくできること、という視点で探すと見つかりやすいですよ。そして、得意なことがわかっていると、どんな仕事が自分にフィットする仕事を探すための一つのものさしになります。
とはいえ、得意なことは自分が当たり前にやれてしまうことなので、自分では気づきにくいもの。わからない場合は、友人や家族など、自分のことを知っている人に「私の得意なことって何かな」と聞いてみるのがおすすめです。
早めの行動が内定を引き寄せる! 自己分析ノート作成のおすすめ時期
田中キャリアアドバイザー
ちなみにいつ頃から自己分析ノートを作れば良いと思いますか?
佐藤みなと
大学4年生の春とかでしょうか?
田中キャリアアドバイザー
実はそれだと少し遅いのです。おすすめの時期は大学3年生です。理由については後ほど詳しく解説しますね。
佐藤みなと
意外と早く始める必要があるのですね! でもどうしてだろう……。詳しく教えてください!
自己分析ノート作成のおすすめ時期
- 大学3年生には始めよう
- まだやっていない人は今始めよう
就活のスタートダッシュに間に合わせる! 大学3年生には始めておこう
佐藤みなと
なぜ大学3年生のときに始めておくべきなのでしょうか? 早過ぎる気がします。
田中キャリアアドバイザー
実はそうでもありません。大学4年生ともなれば就活は始まってしまいますし、そのための準備でとても忙しい。その反面大学3年生はまだ余裕がありますから、始めるにはおすすめの時期なのです。
佐藤みなと
確かによく考えればそうですね……。納得できました!
自己分析ノートを使う目的は、就活のスタートダッシュから必要な、自分についての情報を仕入れるため。なので、就活がすぐに始まってしまう大学4年生の時期に始めていては、就活のスタートに間に合わない可能性があるのです。
その点、就活本番まで余裕がある大学3年生から始めておけば、就活のスタートダッシュに間に合います。余裕があるので念入りに自己分析をおこなえますから、結果的に精度も上がるのです。「早めに始めるが吉」と覚えておきましょう。
田中キャリアアドバイザー
早い段階からの準備が、未来の自分を助けるのです。
やって損はなし! まだやっていない人はすぐに始めよう
田中キャリアアドバイザー
でも大学4年生になったのに始めていないと手遅れというわけではないのです。
佐藤みなと
あれ、そうなんですか?
田中キャリアアドバイザー
とはいえ時間は過ぎていきますから、まだやっていない場合は、いかに早く取り掛かれるかが重要です。
佐藤みなと
まずはやった方が良いというわけですね。
大学3年生の内に準備を始めることができなかったからといって、「もう手遅れ」というわけではありません。早めに始めるに越したことはありませんが、いつから取り掛かっても手遅れではありません。
むしろ「自己分析ノートを作った方がいいのかな」と思えた時点で、自己分析ノートを作っていない人に一歩リードできています。そのリードを活かすためにも、思い立ったらすぐにでも始めてくださいね。
田中キャリアアドバイザー
やって損はありませんから、大学4年生になったのにまだ自己分析ノートを作っていなくとも、「もう遅いからいいや」とあきらめず、すぐに始めましょう!
何事も準備が肝心! 自己分析ノートを作るための事前準備
伊藤うみ
教えていただいたことを踏まえて、早速自己分析ノート作りに入ろうと思います!
田中キャリアアドバイザー
ちょっと待ってください! 自己分析ノートを作るためには、まずは準備から始める必要があります。しておくべき準備についてはこれから解説しますので、不足がないよう確認しておきましょう。
伊藤うみ
危ないところでした! ぜひ教えてください!
自己分析ノートを作るための事前準備
- まずは道具を準備しよう
- 志望企業がある程度決まっていれば企業研究もしよう
まずは道具を準備! 持ち運びしやすいA4サイズがおすすめ
田中キャリアアドバイザー
ちなみに道具は何を使う予定でしたか?
伊藤うみ
手元にあった小さなメモ帳と、ボールペンです。
田中キャリアアドバイザー
それでも十分できますが、できれば紙はA4サイズがおすすめです。理由については今から説明しますね。
伊藤うみ
大きい紙の方が良いのですね! 詳しく教えてください!
まずは道具を用意しましょう。といっても紙とペンを用意するだけですが、紙のサイズにはこだわってください。おすすめはずばりA4サイズ。メモ帳のような小さなものだと、書き出すときに何枚もめくって使うことになるので手間です。また小さなスペースに細かく書いていては、思考も派生させづらいです。
A4サイズであれば十分な余白がありますし、どこに持ち運ぶのにも適しています。紙とペンだけあればOKというメリットを十全に活かすことができるサイズといえますね。
田中キャリアアドバイザー
ペンは何を使ってもOK。使いやすいペンを選んで、思う存分書き出していきましょう。
志望企業がある程度決まっているなら企業研究もしておこう
佐藤みなと
道具は準備できたのですが、他にしておくべきことはありますか?
田中キャリアアドバイザー
もし志望企業が決まっているなら、企業研究もしておきましょう。
佐藤みなと
え、それって自己分析ノートに関係ありますか?
田中キャリアアドバイザー
実はあるのです。自己分析ノートの効果をグッと上げる作業なので、これはぜひおこなっておきましょう。理由については今から説明しますね。
佐藤みなと
それは気になります! 詳しく教えてください!
志望企業が決まっているなら、企業研究をして情報をあつめておきましょう。自己分析ノートで見つけておきたいポイントの1つとして「将来どうなりたいか」がありますが、その発見の助けとなります。情報を集めて、その企業で働く自分を想像することで「なりたい自分」のイメージを膨らませるのです。
志望企業の企業理念から、事業方針、募集要項など、さまざまな手段を使って情報を集め、企業に対する解像度を上げておきましょう。
企業の情報の調べ方
- コーポレートサイト・採用サイトをチェックする
- 大学のキャリアセンターに相談する
- 会社説明会に参加して積極的に質問する
- OB・OG訪問を活用する
- インターンを申し込む
- 就職エージェントに相談する
- 同じ業界を志望する友人に相談する
田中キャリアアドバイザー
ここで企業研究を念入りにしておけば、後の選考対策にも活かせる情報が手に入ります。
自己分析と同じように、企業研究をするときもノートを作成するといいでしょう。次の記事で作成方法について紹介しているので、併せて読んでみてくださいね。
企業研究ノートを作る3ステップ! イラスト付きでわかりやすく解説
これさえ押さえればすぐに始められる! 自己分析ノートの書き方
- 経験を時系列順に書き出す
- 自分の強みを探し出す
- なりたい自分の姿を思い描く
田中キャリアアドバイザー
これで準備も万端! 早速自己分析ノートを作っていきましょう!
伊藤うみ
いよいよですね!
田中キャリアアドバイザー
ここからは早速自己分析ノートの作り方を解説していきますね。「自分の場合はこんなことが書き出せそうだ」と想像しながら1つずつ確認していきましょう。
伊藤うみ
わかりました!
①自分の人生を振り返る! 自分の経験を時系列順に書き出す
田中キャリアアドバイザー
まずは自己分析のスタートは自分の人生を振り返るところから。まずは時系列順に印象に残っている経験を書き出していきましょう。
伊藤うみ
早速やってみます!
書き出したこれまでの経験から、自分の志向性や、強み、学んだことを発見することができます。いわば材料を集める段階なので、とにかく量を意識して、箇条書きで思いつく限りに書き出してくださいね。
田中キャリアアドバイザー
自分の経験を思い出すには「自分史」がおすすめですよ。自分史についてはこの後で解説します。
過去の経験を振り返るには「自分史」がおすすめ
「自分史」は自分の人生を歴史の年表のように表す方法で、「いつ」「なにがあって」「どんなことをしたのか」を時系列ごとに整理していく手段です。自分史を作ることで、より効率的に自分の人生を振り返ることができます。
昔のことは意外と覚えていないもの。自己分析ノートの最初の段階は「自分史」との合わせ技でサクサク進めていきましょう。
自分史の作り方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。テンプレート付きでわかりやすく解説しているので、使用してみたい人はぜひチェックしてみてくださいね。
自分史の作り方がテンプレ付きで早わかり|就活状況別の活用法も伝授
キャリアアドバイザーコメント
テッ ター スェ
プロフィールを見る「1人ブレスト」も自己分析に役立つ
「1人ブレスト」という、決めたテーマについて思いついたものをとにかく書き出す手法も効果的です。会議などでよく使われる「ブレインストーミング」を、1人でやるのです。
ブレストにはいくつかルールがあります。
・質より量
・意見を否定しない
・途中で結論を出さない
などです。
例えば「成功体験」とか「嬉しかった体験」というテーマを決め、思いついたものを紙などに書いていきます。どんな時期のものでも構いません。「これは微妙かも」と一瞬思っても全て書き出していくようにしてください。この手法を使って「困難を乗り越えたこと」「頑張ったこと」など複数のテーマで書き出すと、自分の記憶が呼び起こされ、どんなことを経験してきたのか一通り浮かび上がってきますよ。なお、「辛かった体験」というテーマでやりすぎると、本当に苦しくなるので、できるだけ前向きなテーマで実践することをお勧めします。
②経験から得られたものを発見! 自分の強みを探し出す
伊藤うみ
自分の経験を書き出せたら、次はどうすれば良いでしょうか?
田中キャリアアドバイザー
次は、書き出した経験から「得られたもの」を探しましょう。
伊藤うみ
得られたもの、ですか?
田中キャリアアドバイザー
「得られたもの」を探して、そこからアピールポイントの軸となる、自分の「強み」を見出すのです。やり方については、今から説明しますね。
伊藤うみ
とても気になります!
印象に残っている経験を振り返り、「この経験の前後で何か変わったことはないかな」「この経験を踏まえて意識するようになったことはないかな」と思考を巡らせてみてください。
たとえば「部活の試合で負けて悔しかった」という経験があったとして、その経験があって「試合の録画を何度も見直して、今までの練習メニューを練り直した」という行動をしていたなら、悔しさをバネに行動できるようになった「行動力」という強みが見出せますよね。
印象に残っている経験なら、前後で何かが変わったものがあるはず。その変わったものを「成長」と言い換えて、強みを発見しましょう。
田中キャリアアドバイザー
これなら、自分の強みとともにその根拠となるエピソードも手に入ります。自己PRなどでは、内容の説得力をアップさせるエピソードが不可欠なので、ここでしっかりと探し出しておきましょう。
強みを探し出すには「マインドマップ」がおすすめ
「自分の強みが中々見つからない」。こういった悩みを抱えることももちろんあるでしょう。そんなときは、「マインドマップ」がおすすめです。自分の思考を紙に書き出して、派生させながら蜘蛛の巣状に広げていく手段で、思考の整理と発見に大きく効果を発揮します。
「強みとは」という核の部分から、「得意なこと」に線をつなげ、「〇〇ができる」「△△は他の人よりも上手い」などに派生させる。そして、「高校生のとき〇〇で褒められた」「△△をしている人にアドバイスしたことがある」とより具体的な記憶につなげましょう。最初はぼんやりとしていても、進めていくうちに自分の強みがより具体的に見えてくるようになります。
マインドマップを使った自己分析の方法は、この記事で解説しています。あわせてチェックしましょう。
マインドマップで始める自己分析|「本当の自分」を紙に描き出そう
自己分析をしていく中で、自分の強みがわかってきます。以下の記事では「実行力」をアピールしたいときの方法について解説しています。もしも自分の強みが「実行力」であると感じたら、ぜひ参考にしてみてくださいね。
実行力の自己PRはこれが正解! 4例文からアピール術を徹底解説
キャリアアドバイザーコメント
若林 真穂
プロフィールを見る人から良く言われる言葉をキーワードに強みを探そう
「人からよく言われる言葉」をキーワードにして探していく方法もあります。自分史でもブレストでも、出来事を書き出しながら、その時人からかけられた「肯定的な言葉」があればそれも記入していきましょう。「諦めず頑張ったね」「アイデアにびっくりしたよ」など、何でも構いません。そして、その中からさらに、自分にピンとくるものを取り上げてみます。
たとえば「アイデアにびっくりした」というものを選び、そのような面を他のできごとでも発揮していないかを探してみるのです。自分がアイデアを出して問題を解決したことが複数あれば、「発想力がある」「物事を多面的に見る」といった強みがあるかもしれない、と考えられますね。
自分の強みというのは、自分にとっては当たり前に感じることがあるため、気づきにくいもの。だからこそ、他者からの言葉などの評価を活かすとよいですよ。
③未来につなげる! なりたい自分の姿を思い描いてみる
伊藤うみ
自分の強みも見つけられたので、これで完了でしょうか?
田中キャリアアドバイザー
まだ終わりではありません。忘れてはいけないのが、書き出した経験と、発見した強みから「なりたい自分の姿を思い描いてみる」ことです。
伊藤うみ
仕上げの作業は未来について、というわけですね。
なりたい姿は1つのゴール。「そうなるにはどうすれば良いのか」と、これから進むべき道を逆算して立てることができます。就活の軸となるとても大切なポイントですから、欠かさず確認しておきましょう。
田中キャリアアドバイザー
最後は未来につなげられる情報をしっかりと得ることが、自己分析ノートを作り、活用するうえでとても大切なのです。
キャリアアドバイザーコメント
神谷 政利
プロフィールを見る「行動」「評価」の視点から考えるとなりたい自分を想像しやすい
どんなことをしていたいかという「行動」を考えたり、どんな評価をされていたいかという「人の言葉」を考えたりすると、なりたい姿をイメージしやすくなります。「行動」の場合、たとえば「自分の商品がCMで流れるようにしたい」「生活がより快適になるようなサービスを作りたい」などがありますね。
将来の行動を考える時は、より具体的な行動を考えることがコツです。最初は希望で良いので、制限をかけずに考えてみてください。「人の言葉」であれば、たとえば「やっぱりプロだよね、すごい」「大変な時でも本当に頼りになる」などが考えられます。人の言葉から考えるということは、「どういう人として在りたいか」ということ。「やること」ではなく「在り方」なので、どういう状態で仕事に取り組んでいたいかを考えることがポイントです。
まだまだ改善の余地あり! 自己分析ノートの効果を上げるコツ
佐藤みなと
これで自己分析ノートの知識は全部押さえられましたね!
伊藤うみ
もう心配することは何もなさそうです!
田中キャリアアドバイザー
まだ知るべきことはあります! たとえば、自己分析ノートは何度でも作る方が効果を発揮すると知っていましたか?
佐藤みなと
え、それは知りませんでした……。
田中キャリアアドバイザー
1回作って終わりではもったいないです。ここからは自己分析ノートを作るうえで押さえておきたい、効果を上げるコツを2つ解説します。どちらも試して損はありませんから、ぜひ活用してくださいね。
佐藤みなと
ぜひ詳しく教えてください!
伊藤うみ
せっかくなら効果的にやりたいです!
「一回作って終わり」はもったいない! 就活中も常にアップデートさせていく
田中キャリアアドバイザー
今のところ自己分析ノートは何回作る予定ですか?
佐藤みなと
え、1回だけの予定でした。複数回作った方が良いのですか?
田中キャリアアドバイザー
一度作ったら終わり、それではもったいないです。何度も作ることで得られるメリットがありますよ。今から説明しますね。
佐藤みなと
詳しく教えてください! あやうくメリットを失うところでした。
自己分析ノートは、就活の段階が進むごとに何度でも作り直していきましょう。就活を経験していくことによって自分の考え方も変わることがありますし、選考が進めば「就活のために自己分析でどんな情報を見つける必要があるのか」ということがより鮮明になることもあります。
就活中は常にアップデートをすることを前提に、志望企業選び、選考、内定先選びの3段階で改めて作り直すことをおすすめします。
田中キャリアアドバイザー
常に自己分析ノートをアップデートさせて、より自分の就活に役立てていきましょう!
自分以外の視点を取り入れる! 他己分析も活用する
田中キャリアアドバイザー
自分以外の人に自分を分析してもらう、「他己分析」もおこなっておきたいですね。
佐藤みなと
自己分析ノートと合わせておこなう、ということですか?
田中キャリアアドバイザー
その通り。自己分析ノートだけでも十分な結果は得られますが、他人からの視点も取り入れることで、さらに自己理解を深められるのです。
佐藤みなと
まさに効果を上げるコツですね。合わせ技でより自己分析ノートを活用してみます!
他己分析とは他人に「私ってどんな人」を聞いて、「他人から見た私」の情報を得る方法です。自分では気づけなかった意外な一面や、客観的な評価、印象を知ることができるので、自分への理解がさらに深まります。
ただ、他己分析をおこなう場合は複数人に依頼するようにしてくださいね。1人だけに聞いていては、その人の主観が強く出過ぎた評価を採用することになりかねません。複数人に聞いて、それぞれの回答の共通点を洗い出すことで、より正しい「他人から見た私」を知ることができます。
他己分析で聞いておきたいこと
- 自分の第一印象
- どんなことが得意そうか / 苦手そうか
- どんなこと仕事が向いていそうか
- 将来どんな人になっていそうか
- 自分との思い出で印象に残っているエピソード
- 他の人にどんな人として紹介するか
田中キャリアアドバイザー
客観的な視点だからこそ気づけることはたくさんあるので、ぜひ他己分析もおこなっておきましょう。
自己分析ノートを活用して就活のスタートダッシュで差を付けよう!
自己分析ノートの基本情報から、得られるメリット、そして作り方から効果の伸ばし方までを解説してきました。自己分析ノートは自己理解を深め、就活からその後のキャリアにまで活かせる情報を入手できる効果的な手段。今後のことを考えれば、欠かすことのできない作業です。
「この先どうしようかな」と悩んだときは、何度でも自己分析ノートを作り直したり、見直したりしてください。解決の糸口は必ずそのノートにあります。まずは作るための準備を早い段階から始めて、スタートダッシュで差を付けましょう。
佐藤みなと
最初は自己分析ノートは作らなくても良いかなと思っていましたが、今はその必要性がよくわかりました!
伊藤うみ
以前の自己分析ノート作成が上手く行かなかった原因がよくわかりました。今なら納得のいく自己分析ができそうです!
田中キャリアアドバイザー
みなさんよく頑張りました! 自己分析ノートは就活の頼もしい味方。自分についての情報をかき集めて就活に活かし、目指す未来へ駆け抜けていきましょう!
記事の編集責任者 小山内 隆
この記事のアドバイザー